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「荒野」桜庭一樹著 (913.6/SaKa 3階閲覧室)

2009.01.20

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「こうや」と読みます。前回直木賞を取った井上荒野(いのうえあれの)さんがふと頭に浮かび、タイトルが気になりました。「あらの」と読むのかな、と。主人公は山之内荒野(やまのうちこうや)、12歳の女の子。少し読み進めると、荒野の父親は恋愛小説で有名な「作家」とあり、やはりこれは井上荒野さんと関係があるのか…。
さて肝心の「荒野」のストーリーは、作家の父親、母親代わり若い家政婦さんと暮らしていた荒野のもとに、父親の再婚相手が現れ、なんとその息子がクラスメートだったという…。めまぐるしく変化する状況のなかで、荒野は子どもから少女へ少しずつ変化し、淡い気持が少しずつ形をとり始めます。近頃めっきり「おとな」が主人公の小説しか読んでいなかったので、初々しい気持ちがあふれていて少しもどかしくもあり、逆に新鮮な感じをうけました。(P)

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