『私の中のあなた(上)(下)』ジョディ・ピコー(著)ハヤカワ文庫 (1階文庫コーナー)
2010.01.21
気に入った映画を観ると、原作を読みたくなります。以前にもいくつか映画化された本を紹介しましたが、今回は2009年にキャメロン・ディアス主演で映画公開された「私の中のあなた」の原作本を紹介します。
13歳のアナ・フィッツジェラルドは白血病の姉ケイトのドナーになるために遺伝子操作によってこの世に生まれます。臍帯血、骨髄移植など、姉ケイトが必要とする医療行為に全て関わってきたアナでしたが、ケイトの病状は進み、肝臓移植が必要となります。これを機にアナは両親を相手取り、訴訟を起こします。…もう、姉ケイトのドナーにはならないと。各章ごとに語り手がアナ、母のサラ、父のブライアンなどの登場人物に変わる手法で描かれているため、読者は、どの登場人物に感情移入をするか分れるのではないかと思います。人の存在意義、家族の愛について考えさせられます。また、結末は原作と映画とは違います。原作のラストには衝撃を受けました。もしかすると賛否両論あるかもしれません。(M)