「図書館の神様」 瀬尾まいこ (913.6 / SeMa 3階閲覧室)
2009.03.30
タイトルが印象的なこちらの本。この本の著者である瀬尾まいこさんは「幸福な食卓」の著者でもあり、そちらは数年前映画化もされたので知ってる方も多いかなと思います。
今回紹介する「図書館の神様」の主人公は高校の講師をしている清。彼女はある事件をきっかけに人生の方向性を見失い、都会を離れて地方学校の講師になります。教育に対する情熱も特に無く授業をする彼女は国語教師というだけで文芸部の顧問をまかされてしまいます。その上その部は部員が元サッカー部の生徒、垣内君ただひとりという部で・・・。
風変わりで爽やかな少年、垣内君とのやり取りが楽しく、彼の言葉はとても大人びていて心に響きます。派手なストーリーの展開はないにも関わらず、ラストそれぞれがまた新しい場所に向かって歩き出す場面は何かじーんとくるものがあります。いろいろなことが新しく始まる春。少しだけ勇気を持って新しい一歩を踏み出したい時におすすめな本です。(柚子)