図書館からのお知らせ

「統計学が最強の学問である」西内 啓 [著] ダイヤモンド社 2013.1

2014.06.23

皆さん、統計リテラシーをぜひ身に付けましょう。だって統計学は多くの分野で利用されるし、何よりこの世の中、数字に強いほうが何かと有利な社会ですからね。統計学と聞いただけで逃げ出す人やジンマシンが出る人も多いと思いますが、この本はそんな方々もちょっと気楽に読めます。難しい数式はほとんど使わず、やさしく統計の勘どころを説いてくれる読み物として書かれているからです。「最強の学問」なんて題名はキワどいし、「統計学を制する者が世界を制する」なんて大げさなフレーズがバンバン出てくるのですが、著者の自信が伝わってきて、なぜかスカッとします。

 

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この本では、まず冒頭の「あみだくじの必勝法」という話で読者をつかみます。うん、確かに役に立ちそうだ。そしてサンプリング、誤差と因果関係、ランダム化など統計学の重要なポイントを具体的な例を使って、くだけた文章で説明してくれます。いま話題の「ビッグデータ」も登場しますよ。ところどころで「現代のおっさんたち」を登場させてイジるのもご愛嬌で、読者に理解させるため工夫が感じられます。実は後半ちょっと難しくなって、ほんとにコレが30万部を超えるベストセラーになったの?と驚いたりもするのですが、データの扱いや統計的な考え方に強くなるためには、確かに役立つ本だといえそうです。

(Pen)

「神去なあなあ日常」三浦しをん[著] 徳間書店、2009.5

2014.06.23

すべてがなあなあな神去村に平野勇気はやってきた。横浜から、林業をやるために。けれどそこは、やることも見つからずブラブラしていた勇気に、先生が勝手に決めた就職先だった。林業なんてかっこわるい、その上仕事はうまくできない悔しさで村から逃げ出そうとしていた。そんな勇気を取り巻く神去村の人々の「なあなあ」気風と荘厳な神去山が、徐々に勇気を変えてゆくのだが…。
本書は公開中の映画「WOOD JOB!(ウッジョブ)」の原作です。主人公の勇気が、突然放り込まれた仕事場で、何とかかんとかやりがいを見出していく青春サクセス?ストーリーといったところがメインですが…私は勇気の不器用な恋も見どころと思います。勇気がパソコンに打ち込んだ秘密の記録、という体の文体も読みやすく、個性溢れるキャラクター達も魅力です。二作目「神去なあなあ夜話」では恋がメインですので、興味がある方は二作目も是非読んでみてください。  (ringo)