「統計学が最強の学問である」西内 啓 [著] ダイヤモンド社 2013.1
2014.06.23
皆さん、統計リテラシーをぜひ身に付けましょう。だって統計学は多くの分野で利用されるし、何よりこの世の中、数字に強いほうが何かと有利な社会ですからね。統計学と聞いただけで逃げ出す人やジンマシンが出る人も多いと思いますが、この本はそんな方々もちょっと気楽に読めます。難しい数式はほとんど使わず、やさしく統計の勘どころを説いてくれる読み物として書かれているからです。「最強の学問」なんて題名はキワどいし、「統計学を制する者が世界を制する」なんて大げさなフレーズがバンバン出てくるのですが、著者の自信が伝わってきて、なぜかスカッとします。
この本では、まず冒頭の「あみだくじの必勝法」という話で読者をつかみます。うん、確かに役に立ちそうだ。そしてサンプリング、誤差と因果関係、ランダム化など統計学の重要なポイントを具体的な例を使って、くだけた文章で説明してくれます。いま話題の「ビッグデータ」も登場しますよ。ところどころで「現代のおっさんたち」を登場させてイジるのもご愛嬌で、読者に理解させるため工夫が感じられます。実は後半ちょっと難しくなって、ほんとにコレが30万部を超えるベストセラーになったの?と驚いたりもするのですが、データの扱いや統計的な考え方に強くなるためには、確かに役立つ本だといえそうです。
(Pen)