図書館からのお知らせ

『永遠の0 (ゼロ)』 百田尚樹 [著]  講談社, 2009.7

2013.07.18

泣きました。涙が止まらなくなり、いくつものページに涙のシミができました。
終戦から60年たって、戦闘機「零戦」による特攻で戦死した祖父の生涯を調べていた青年は、特攻で生き残った元兵士を訪ねて歩きます。そして「操縦は天才だが臆病者・卑怯者だった」という人物像を聞かされて戸惑いながらも、祖父の生きた足跡を追いかけて少しずつ実像に迫っていきます。

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「娘に会うまでは死ねない。妻との約束を守るために絶対に生きて帰る」と言い続けていた祖父は、結局自ら特攻に志願して死んでいったことがわかりました。何故なのか。その謎が明らかになった時、意外な真実が浮かんできたのです。
「ボックス!」「影法師」そして今年の本屋大賞を受賞した「海賊と呼ばれた男」などさまざまなジャンルで骨太な作品を世に出してきた百田尚樹のデビュー作です。実在の撃墜王が登場するなど史実に忠実に描かれていますが、決して戦記物ではなく、温かいヒューマンドラマです。現在、岡田准一主演で映画化が進んでおり、今年の12月に封切りになるそうです。いったいどんな映画になるのか、原作と比べるのもまた楽しみですね。        (Pen)

『だから、僕は学校へ行く!』 乙武洋匡著 講談社文庫 2010.9

2013.07.18

著者は東京都の小学校で3年間の任期付き教師になった。朝日新聞のコラムでこの記事を読み「なぜ、教師に?」と思ったが、この本で、その答えを得た。著者は『五体不満足』でついたイメージをリセットするため、スポーツライターをしていたが、社会のため、子供達のために

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教育への転身を決め、教育現場を見たいと、「新宿区子どもの生き方パートナー」になり、小中学校や教育施設に行く。また、教育界に参加するために教員免許取得を目指すが、当初、教師になるためではなかった。しかし、徐々に教師になりたいという思いが芽生え始めていることに気づき、著者は子供達に「それぞれ、違っていていいんだよ」というメッセージを伝えるために教壇に立つことを決める。著者が見てまわった教育現場の情報や著者の意見(それぞれの学校の工夫、地域連携、学校での子どもたちの様子、学力、不登校、体罰・・・)を読み、教育について改めて考えさせられた。また、教育実習の現場を見に来た著者の恩師の「教育はね・・・最後は人柄、人間性だから」という言葉は教育の問題を解決してくれそうなキーワードひとつとして心に響いた。 (N)