「幕末・明治豆本集成」 ( 022.5/KaYa C書庫)
2007.01.19
この本で取り上げている「豆本」とは婦女子向きの小型絵本で、今でいう「絵本」の元祖。学術書なので豆本についての調査・研究結果が詳しく書かれているのですが、単純に鮮やかな版画など目で楽しめます。「かちかちやま」や「桃太郎」など馴染み深い作品に、複数のバージョンがあることも知りました。
中でもおすすめは「猫のはなし」です。 「こま」という飼われ猫、可愛がられすぎて主人の膝の上から離れられず、このままでは大好きな隣家の「とら」と夫婦になれない。そして二匹は何と駆落ちを決行、しかも「こま」に横恋慕する「くま」なる猫が現れ…。
絵本でこんな内容!?でもなぜに猫!?この様々な豆本に登場する動物は、ほとんど普通に五本指を持って、普通の人間等身なのです。そこが「絵本」というべきか。だから二匹の駆落ちシーンも着物に頬被り、手に手を取ってという姿。それがまた何ともおもしろいのです。ただこの「豆本」、かなり大型です…。(P