本屋大賞一位で滋賀への聖地巡礼が増えているという話を耳にしたので手に取った。
主人公成瀬あかりは意志が強く、そのストレートさからちょっと変わり者と思われがちだが人を引き込んでいく魅力の持ち主である。成瀬とかかわる様々な人たちの目線から彼女が描かれていることが面白い。最初は友人島崎みゆきが語り、成瀬の人物像が本当によくわかる。京都のお隣である身近な滋賀の町を感じながら物語に入っていけるのもこの物語の魅力だ。わたしはミシガンという船に以前乗船したことがあり、とても良い思い出である。ミシガンが登場する場面はお気に入りのストーリーである。