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「第2図書係補佐」 又吉直樹[著] 幻冬舎 2011.11

2016.09.29

昨年、小説「火花」で芥川賞を受賞したお笑い芸人である著者が、太宰治や江戸川乱歩から村上春樹などバラエティーに富んだ数々の作品を紹介しながら自身を語るエッセイ集です。生活の傍らに常に本という存在があるほど読書好きであること、本を読んだから救われたことや思いついたこと、いつも本に助けられてばかりだという又吉さんの思いが本書のエピソードから伝わってきます。
又吉さんの幼少時代のあまり裕福ではなかった話や青春時代の恋愛話、彼の独特な風貌や行動から当時の同級生や街で出会う人たちに変わり者扱いされたり、奇妙だけど笑えるエピソードや、自分の人生を考えさせられるような気持ちになったりしました。そんな彼自身の話が大半を占めているのですが、それと絡めて最後に2,3行の作品紹介がされています。作品紹介はほんの数行なのに何故かその作品が気になって今度読んでみようかなという気にさせられたのは彼の優れた文章によるものなのだと思います。(R)

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